情報と金、それにたいして僕らができるすべて

結局、幸福論になろうかと思いますが、情報至上主義の現在に自分ができること、自衛というか自活というか、そういうことを少しでも明確にするためには、人に見られているという前提でアウトプットすることが大切だと思って始めました。

コバヘンセミナーにいってきた。

16_l.jpg
16_l.jpg 

 

 そういえばこの間、仕事で小林弘人(ひろと)氏の出版記念セミナーにいってきた。

 インフォバーン代表取締役CEO小林弘人。

 通称コバヘン。

 メディア起業家という肩書も持つ彼の功績をすべて上げるのは難しいが、最も有名なのは、米国の「ワイアード」や「ギズモード・ジャパン」などの媒体発行であろう。

 また、今では当たり前となった有名人のブログでのマーケ、収益モデル構築なども同氏の仕業である。紙とウェブが対立していた時代から同氏は、一貫してインテリジェンスな視点で研究論文的な記事を発表し、書籍を執筆し、(たとえば【フリー】、【キュレーション】や【ソーシャル】といった)、新たな概念の伝道師としての役目を続けている。そして何より素晴らしいのは、学者にありがちな机上の論理のとどまらず、「起業家として多くのビジネスを成功に導いた実績がある」という点である。

 そんな同氏の最近の著書である「メディア化する企業はなぜ強いのか?」(技術評論社刊)が去年、話題になった。

 

経営課題としてのソーシャル

 

 セミナーでも本でも同様、同氏の意思は「好むと好まざるとにかかわらず、ソーシャルメディアという新しい波は、企業の新たな経営課題となる」ということだ。

 

 今まで企業のIRSPなどでは、メディアに金を払い、上からサービスを消費者に教えるという視点であった。しかしSNSがウェブ(マーケティング)の主流となった今、その力関係は完全に転換し、消費者が企業を選ぶ時代となった。そのために、企業側は、押しつけではなく、消費者との真摯なコミュニケーションの中で信頼関係を作っていかなければならなくなっている。

 

 冒頭に、金融機関ではあまり有名ではないかもしれない、と書いたが、この事態は金融企業にとっても全くもって対岸の火事ではない。つまらないコンテンツや記事は、消費者は絶対に読まない。広告的な香りが付帯する文章も同様だ。真摯に消費者とコミュニケートしようとして作られたコンテンツが、概してユーザーに認知されるようになるのだ。